桑原動物病院

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〒371-0804 群馬県前橋市六供町1丁目8-3

病気について

椎間板ヘルニア
ご存知ですか? 椎間板ヘルニアは、ダックス・フンドやコーギーなど
いわゆる胴長短足の犬種だけでなく、トイプードルやフレンチブルなど
幅広い犬種に起こり得る病気です。
椎間板ヘルニアとは?
背骨と背骨の間をつないで衝撃を吸収するクッションの働きをする椎間板(ついかんばん)に変性が生じ、椎間板の中に入っている物質がその上を通る脊髄を圧迫することで様々な神経症状を引き起こす病気です。
椎間板は、クッションの外側に相当する線維輪(せんいりん)という部分と、その内側にある髄核(ずいかく)というゼリー状の部分から構成されています。椎間板ヘルニアは、線維輪がふくらんで脊髄を圧迫する慢性型と、随核が飛び出して脊髄を圧迫する急性型に分けられます。
  • 正常な脊髄と椎間板 正常な脊髄と椎間板
  • 断面図 断面図
  • 椎間板ヘルニアを発症した状態(慢性型と急性型) 椎間板ヘルニアを発症した状態
椎間板ヘルニアが起きる原因
椎間板ヘルニアが起きる主な原因は、1)過度の外圧、2)肥満、3)老化、4)犬種と考えられています。
  • 1)過度の外圧
    交通事故、高い場所からの飛び降り、壁への衝突、二足歩行、アジリティーなどで脊椎に瞬間的に強い負荷がかかった場合に多く発症します。
  • 2)肥満
    体重が増えることも脊椎にストレスをかけることになります。
  • 3)老化
    椎間板のコラーゲン線維が衰えていくことで、クッション機能も衰えていきます。
  • 4)犬種
    力学的にみて、体が小さく、胴が長い犬種ほど脊椎への負担が高まるため、多く発症する傾向にあります。
    また、そのような体型になるよう意図的に繁殖されてきた犬種は、遺伝的に軟骨の形成に脆弱性をはらんでいるということも言えます。
椎間板ヘルニアになりやすい犬種
ミニチュア・ダックスフンドは椎間板ヘルニアを起こしやすい代表的な犬種であり、早ければ2歳齢で発症します。その多くは突然生じる「急性型」であるといわれています。同じように急性で発症しやすい犬種としては、コーギー、ビーグル、トイプードル、ペキニーズなどがいます。症状がゆっくりと進行していく「慢性型」の場合は、犬種とは関係なく、加齢によって起こるケースが多いです。
椎間板ヘルニアの症状について
飼い主様が日常生活で気づかれる症状としては、1)突然足を引きずる、2)抱き上げた時に痛がって鳴く、3)おやつをあげるときに頭を上げることを嫌がったりする、などが多くあげられます。症状が重度になると、後肢のまひによる歩行異常や、自力で排尿排便ができなくなることもあります。また、首の付け根周辺でヘルニアが発症すると、呼吸困難に陥ってしまうこともあります。
椎間板ヘルニアは、脊髄軟化症という脊髄が壊死してしまう怖ろしい病気に進行することもあるため、命にかかわる重大な疾患であるということを認識され、前述の犬種の場合はどうか日頃から注意して見守ってあげてください。
  • 後肢のまひによる引きずりと歩行異常 後肢の麻痺による引きずりと歩行異常
こんな様子が見られたら早めの受診をおすすめします!
check
  • 01
    背中を丸めていることが多い
  • 02
    抱き上げるとキャンとなく
  • 03
    動きたがらない、歩く時もトボトボ歩く、フラフラしている
  • 04
    後ろ足を引きずって歩く
  • 05
    階段を避けようとする
  • 06
    ソファに上がらなくなった  
  • 07
    排尿排便をしない  
  • 08
    震えている  
椎間板ヘルニアの治療
軽度の場合には、投薬と絶対安静(ほとんど動けないような小さなケージ内で安静)をすることで症状が治まることもありますが、症状が進行している、あるいは痛みが強い場合には外科手術が必要です。当院では手術による治療を積極的にご提案しています。〝痛覚〟反応がある段階であれば、90%以上で回復が見込めます。
外科手術で完治しない場合は、長期に渡るリハビリや車椅子による介護が必要になる場合もあります。いずれにせよ、早期診断・早期治療が重要です。
椎間板ヘルニアかも…!?と思ったら、安静な状態にしてすぐ病院へお連れください。
レントゲン検査、場合によってはCT・MRI検査も使用して速やかに診断します。
  • MRI画像 MRI画像 頚部椎間板ヘルニア
  • MRI画像 MRI画像 頚部椎間板(横断図)ヘルニア
  • CT画像 CT画像 腰部椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアの再発・予防
椎間板ヘルニアの再発率は30~40%です。普段から背中や腰に負担をかけないよう心がけてあげてください。激しい運動は避け、首輪から胴輪にかえてみるのも1つの手段です。また、フローリングの床は滑るので、カーペットなどを敷いてあげるのも良いでしょう。肥満にならないよう食生活に注意して体重もしっかりコントロールしていくことが大切です。
予防に勝る治療はありません。椎間板ヘルニアを起こしやすい犬種の飼い主様はどうかこれらのことを日頃から心がけてあげてください。