前橋市の桑原動物病院のブログ

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犬の膿皮症の症状、原因、診断、治療法について解説

前橋市・高崎市・伊勢崎市・藤岡市・安中市・渋川市のみなさん、こんにちは!
前橋市の桑原動物病院です。今回は犬の歯周病の症状や治療、予防などについて獣医師が詳しく解説していきます。

○病態・症状

犬の膿皮症は、皮膚の細菌感染による皮膚炎のことを言います。

膿皮症の原因となる菌は正常な皮膚の上にも存在している常在菌のブドウ球菌が主で、何らかの原因により皮膚で細菌が過剰に増殖し、悪さをして発症します。

膿皮症が犬で多くみられるのは、犬の皮膚が薄いことや、皮膚のpHが細菌の増殖しやすい弱アルカリ性であるためと考えられています。

皮膚の抵抗力が下がったときに発症し、かゆみを伴うため、皮膚を引っかいて傷がたくさん入り、発赤、湿疹、脱毛を起こしてしまいます。膿疱が拡大し破裂すると、発赤を囲んで環状に薄く皮がめくれた状態である表皮小環ができます。

表皮小環の段階を過ぎると、表皮小環のめくれた皮膚が剥がれ落ちた後、黒い粒が集まったような色素沈着ができます。この色素沈着は多くは数ヵ月間残りますが、少しずつ薄くなります。下腹部や内股・背側によく起こるので、症状がないかチェックすることが大切です。

犬の膿皮症は症状が起こる部位によって「表在性(浅在性)膿皮症」「深在性膿皮症」に区分されます。表在性膿皮症は表皮付近で炎症を起こし、深在性膿皮症はそれより下の真皮や皮下組織で起こる炎症です。

深在性膿皮症の方が一般的に炎症は強く、炎症部には結節と呼ばれる1㎝以上の大きな隆起が見られます。さらに悪化すると真皮より下の皮下組織にまで炎症が広がり、激しい症状が出る皮膚炎になる場合があります。深在性膿皮症は治療が長期化する場合が多いです。

犬の皮膚炎で最もよくみられるのは表在性膿皮症です。

○診断

細胞診・皮膚掻爬検査・細菌培養検査・薬剤感受性検査などにより鑑別診断を行います。

○治療

抗生物質の投与や消毒薬による治療やシャンプーの薬浴治療を行います。膿皮症は細菌感染なので、原因になるブドウ球菌に対して有効な抗生剤を最低でも2~3週間投与します。

抗菌作用のある薬用シャンプー、または消毒薬を足先だけなど部分的に薬浴を使用することも、膿皮症の治療では重要です。

症状が良くなっても細菌が潜んでいる場合があるため、治療には時間を要します。

再発や基礎疾患の影響による病態であることも多々あるため、治療に時間を要する場合があります。