前橋市の桑原動物病院のブログ

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犬の白内障の症状と治療、予防について解説

前橋市・高崎市・伊勢崎市・藤岡市・安中市・渋川市のみなさん、こんにちは!
前橋市の桑原動物病院です。今回は犬の白内障の症状や治療、予防などについて獣医師が詳しく解説していきます。

○病態・症状

白内障とは、眼球内の水晶体が不透明になった状態のことです。わんちゃん、ねこちゃんの目が白く見えることで、白内障に気付かれる方が多いと思われます。白内障の原因には、加齢性、遺伝性、外傷性や糖尿病性などさまざまあります。

通常、視覚情報は外から入ってくる光が角膜、前眼房、水晶体、硝子体、網膜、視神経を介して脳へと伝達されることで生まれます。本来の水晶体は無色透明なため容易に光を透過させることができますが、白内障によって白く濁った水晶体では外から入った光が乱反射し、視覚の障害が生じます。ただし、白内障による視覚障害の程度は進行状態によってさまざまです。

○診断

対光反射や、威嚇瞬目反応、眩目反射などの神経眼科学的検査を行なったのち、散瞳後、スリットランプにて水晶体の混濁の有無を検査します。

白内障は進行状態によって以下の4つのステージに分類されます。

  • 初発白内障:白内障の初期に見られ、小さく限局的な水晶体の混濁状態。視覚への影響はありません。
  • 未熟白内障:水晶体の混濁が広がっているが、全域に達しない白内障。視覚は確保された状態。
  • 成熟白内障:水晶体の混濁が水晶体全域に達し、視覚が失われている状態。一般にスリットランプを使用しなくても、水晶体の混濁が確認できます。
  • 過熟白内障:水晶体の蛋白質が変性し、水晶体が萎縮した状態。

※白内障と間違えやすい核硬化症

 核硬化症も白内障と同様に目が白く見えることがありますが、加齢性の変化であり、視覚に影響を及ぼすことはありません。スリットランプによって白内障と鑑別することができます。

○治療

白内障の治療は、内科療法と外科療法があります。

内科治療:白内障によって不透明化した水晶体を再度透明化させる治療薬は存在しません。したがって、白内障における内科的治療は水晶体蛋白質の漏出に起因する前部ぶどう膜炎を予防することが主な目的となります。非ステロイド系の点眼薬を使うことで予防することが可能です。また、日本では犬の老齢性白内障の予防薬としてピレノキシン点眼薬(ライトクリーン)が認可されています。

外科治療:白内障を完治させるための方法は現在のところ外科治療しかありません。混濁した水晶体を超音波によって小さく砕いてから吸引し、眼内レンズに置き換える手術法(超音波水晶体乳化吸引術)が主流となっています。この手術法は特殊な装置が必要なため、専門施設にて行います。また、この手術法は網膜が正常に機能している眼で適用されるため、網膜機能を評価する検査(網膜電図検査)を術前に行う必要があります。